街道歩きまくり
 
歩き旅を始めたきっかけ
 
30代も後半になって腹回りの贅肉が目立つようになってきた。
このまま弛んだ中年になりたくなかったのでウォーキングを始めた。
最初の頃は近所のコースを変えて歩いていたが、段々同じコースに飽きてきた。
 
そんな時ある筋から、大地震などの災害時に東京などの大都市では、家に帰れなく
なる「通勤難民」(徒歩で帰宅することを強いられる人)が多くに発生することを知った。
震災時帰宅支援マップなどという本も出版されているらしい。
 
そこで、都心から私の住んでいる多摩地区まで20km以上歩くというのはどんな感じ
なのか体験してみようと思い立った。
どのコースを歩くか考えてみたが、都心から多摩地区へ貫いているのは甲州街道が
ある。私は生まれも育ちも多摩地区なので、昔から甲州街道には馴染みがある。
 
甲州街道について改めて調べてみると、意外と奥が深く、甲州街道には江戸時代と
ほぼ同じ道筋の旧道があり、昔は「甲州道中」と呼ばれていたことや、「一里塚」、「宿」
のことも知った。 また、府中や日野宿には多くの史跡が残っていることも分かった。
折角なら旧道を歩いてみようと。そんな感じで街道歩きへの第一歩が始まった。
 
最初は日本橋から府中までを一回だけ歩いてみるつもりだった。約25kmを歩いた
ところ、思ったほど苦痛ではなかった。 翌日には膝が痛くなったが。
帰ってから復習のつもりでネット検索したところ、五街道や脇街道などを歩く、いわゆる
街道ウォークを趣味としている方々がいることを知った。 街道沿いには江戸時代の
名残が数多く残っていることも知り、甲州道中を下諏訪まで是非歩いてみたいと思った。
実際に日本橋→府中、府中→高尾と何行程か歩いてみると、日野宿本陣などをはじめ
多くの史跡があり、時間がゆっくり感じられ、実に優雅な趣味だと思った。
 
これが歩き旅を始めたきっかけである。